エンターテイメント業界で活躍する「フォーリーアーティスト」の存在を知っていますか? フォーリーアーティストは、映画やテレビの効果音を作り出す仕事です。 映像にぴったりと合う効果音を付けて臨場感を演出するフォーリーアーティストは、ときに「音の魔術師」とも呼ばれます。 今回は、フォーリーアーティストの仕事内容と、なるための方法について紹介します。
フォーリーアーティストってどんな存在?
フォーリーアーティストは、映画やテレビ番組の映像に効果音を足して、臨場感やリアルさ、緊張感などを演出する仕事です。 映画やテレビ番組の映像内には、歩く音や雨音、衣服が軽く触れ合う音など、さまざまな音があふれています。こういった効果音は、撮影後に後付けされているケースも多いものです。 特に、ハリウッド映画の約8割の作品には、あとから効果音が足されています。その理由は、撮影時の効果音をそのまま使用すると、吹き替え版を作るのが難しくなるためです。 効果音はコンピュータで合成されることもありますが、映画やテレビ番組に後付けする効果音にはリアルさが求められるため、自然の音を使うことが多いのです。 どんなに性能の良いコンピュータが開発されても、人間が映画を作っている限りフォーリーアーティストの仕事は無くならないといわれています。
フォーリーアーティストならではの技とは
フォーリーアーティストが仕事をするスタジオには、さまざまな小道具が用意されています。 コツコツと音のする靴や、雨音やシャワーの音を再現するじょうろなどは、特に頻繁に使われるアイテムです。はだしで床を歩く音は、手のひらに霧吹きの水を吹きかけ、木の板にペタペタと打ちつけて出しています。 フォーリーアーティストが作り出す効果音には、意外な道具も多く使われます。 ときにはキャベツの葉を剥いたり、セロリをしぼったり、グレープフルーツを刃物で突き刺したりして効果音を出すこともあります。 合成音では表現しきれないような自然な音を作り出すのが、フォーリーアーティストの腕の見せどころです。
フォーリーアーティストになるための方法
フォーリーアーティストを目指すのならば、エンターテイメントを学べる専門学校に通い、映画や映像、音響に関するスキルを効率的に身につけたいですね。 映画制作や音響を専門とした会社に就職して経験を積むのも、フォーリーアーティストを目指す方法の1つです。 フォーリーアーティストには、独創的で柔軟な発想や思考が必要不可欠です。 まずは身の回りのアイテムに興味を持ち、「どんな音がするかな」と叩いたりこすったりする音作りを楽しむことから始めてみてはいかがでしょうか。
フォーリーアーティストになるためには、映像編集や音響について総合的に学べる専門学校へ進学するのがおすすめです。 個々の将来の目標にあわせてカリキュラムを自由に選択できる専門学校なら、フォーリーアーティストになるためのスキルを効率的に身につけられます。 映像の世界で独自の活躍をしたいという人は、ぜひ「音の魔術師」と呼ばれるフォーリーアーティストを目指してみてくださいね。