アーティストの楽曲に合わせて作られた映像のことを「PV」や「MV」と呼んでいます。 PVやMVはテレビやDVDで観賞するだけでなく、近年では動画サイトでも気軽に見られるようになりました。 今や私たちの生活に溶け込んでいるPVやMVですが、この2つの違いについてご存知の方は少ないでしょう。 PVとMVという呼び方に、明確な違いはあるのでしょうか? 今回は、アーティストが制作するPVとMVの意味や違いについて紹介します。
「PV」とはどういった映像のこと?
PVというのは「プロモーションビデオ(promotion video)」を略したものです。 プロモーションという言葉は宣伝という意味なので、PVというのはその名の通り「楽曲の宣伝をするための映像」ということになります。 テレビの音楽番組やCMで楽曲のサビなどの映像を流すことで、視聴者の購買意欲をかき立てるのがPVの役割です。 ちなみにプロモーションビデオという言葉は和製英語なので外国人には通じません。 販売促進映像のことを外国では「トレーラー(trailer)」または「プロモーショナルビデオ(promotional video)」と呼びます。
「MV」はどういった映像のこと?
MVというのは「ミュージックビデオ(music video)」のことをいいます。 楽曲が持っている世界を映像にすることで、楽曲の内容を視覚的に伝えようとするのがMVの役割です。 近年では、楽曲に込めた世界観を余すことなく伝えられるような芸術性の高いMVが作られることも多いものです。 MVは初回特典としてCDに封入されたり、MVを集めたDVDとして販売されたりすることもあります。
音楽業界にMVが増えてきた理由とは
かつては、アーティストの作る映像はPVと呼ばれるのが一般的でした。しかし近年では、アーティストが楽曲に合わせて作る動画はMVと呼ばれることがほとんどです。 この変化の背景には、動画サイトを見る人が以前よりも飛躍的に増えたことが考えられます。 現在、動画サイトには大量の映像があり、さまざまな映像を簡単に見られるものです。 たくさんの動画に埋もれず多くの人に存在感やインパクトを与えることを目的として、アーティストは芸術性の高いMVを制作するようになったのです。
PVとMVの違いを明確にするのは難しい
音楽業界では、PVとMVの違いを明確に区別しているわけではありません。ときには、MVとして作った映像の中で最も宣伝したい一部分をカットしたものを、PVと呼ぶこともあります。 芸術作品として作られたMVであっても、テレビやCDショップの店頭で30秒や1分程度流された場合、その映像はプロモーション用のものといえるのです。 こういった事情があるため、PVとMVの違いをはっきりと区別するのはなかなか難しいのです。
PVというのは、アーティストが制作した音楽を宣伝するための映像です。これに対してMVは、楽曲に合わせて作られた芸術的な作品であるという違いがあります。 PVやMVは、映像作家をはじめとする多くのスタッフとアーティストとが一丸となって作り上げるものです。 将来、ミュージックシーンを支えるPVやMV作りをしたいと考えている人は、PVやMVの製作技術が学べる専門学校への進学を検討してみてくださいね。