演劇やミュージカルなど、1つの舞台作品をつくり上げるためには、さまざまな人々の力が必要になります。
1作品120分程度の舞台を1つ作るだけでも、数十から百程度の職業の人々が関わっているのです。
その中でもとくに重要な役割といえるのが「舞台監督」です。その名の通り、舞台の監督を務める仕事で、ステージ作りの要になる人のことをいいます。
舞台監督なしでは、舞台を成功させることはおろか、完成させることもできません。そんな重要な役割を担う舞台監督の具体的な仕事内容をご紹介いたします。
舞台監督ってどんな仕事をしている人?
監督という職業をイメージすると、メガホンを持って椅子に座り、俳優やスタッフたちに指示を出す映画監督を思い浮かべる方もいるかもそれません。
しかし、舞台監督の仕事内容というのは、映画の監督の仕事とは少し異なります。
演劇やミュージカルといった舞台には必ず、総合的な演出を手がける演出家がいます。
この演出家の意向に沿って裏方をまとめ上げる指揮者(コンダクター)の役割をするのが舞台監督の仕事なのです。
つまり、多くの人々が想像する映画監督は、舞台制作でいうと演出家が最も近いといえます。
舞台監督は、演出家の「こういう舞台を作りたい!」という意向を適切に汲み取ることが大切な仕事です。
このような舞台監督の役割を聞くと脇役のような印象を持つ方もいるかもしれませんが、舞台稽古の読み合わせの段階から練習に参加し、演者と一緒に舞台を作り上げていくので、舞台の中心人物であることには変わりありません。
舞台監督に求められる能力とは?
舞台の題材や物語の背景を理解するためには、さまざまな文学作品や芸術作品に精通している必要があります。
題材を的確に理解していれば、舞台稽古に立ち会って適切な指示を出したり、場面転換をスムーズに進めたりすることができ、舞台をよりいいものに昇華できるためです。
また、舞台の各セクションの担当者と関わり合いつつ、それぞれのセクションの緩衝材の役割を果たすことも舞台監督の重要な任務の1つ。
舞台監督には、たくさんの美術、技術、制作スタッフと関わり合いながら舞台全体を俯瞰で確認する力も求められます。
ステージを無事に進行するためには、人あたりの良さや高いコミュニケーション能力も必要不可欠です。
舞台監督は、舞台の全貌を見渡しながら舞台に関わるすべての人をまとめ上げていく重要な仕事です。
たくさんのスタッフと協力し合いながら素晴らしい舞台を作り上げていきたいという思いがあるのなら、ぜひ舞台監督の仕事を目指してみてはいかがでしょうか。
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