アニメの制作の現場にはさまざまな業種の人々が関わっていますが、その中の1つに「演出」という重要な仕事があります。
アニメの演出家が担う仕事ですが、演出家という人々は一体どのような仕事を行っているのでしょうか?
今回は、アニメ演出家の仕事内容について探っていきましょう。
アニメ演出家の仕事内容1. 脚本を絵コンテに落とし込む
アニメの演出家の仕事はたくさんあります。
まずはアニメの脚本を一読して内容を把握し、監督と打ち合わせをして脚本を絵コンテに落とし込んでいきます。
この際に作成する絵コンテの数は、1話あたり30分のテレビアニメならば、1ページ5コマで割り振られた絵コンテ用紙を100ページ前後使います。
わずか30分間のアニメを1つ作るだけでも、多くの時間が必要なのです。
絵コンテの段階で、アニメのカメラアングル、キャラクターがどんなポーズを取りどう動くのか、どんなシチュエーションで物語が進行するのかといった内容がほぼ決まります。
絵コンテはいわば、アニメ全体の流れを決定づける大切な作業といえるでしょう。
ただし、最近では演出家とは別に、絵コンテの担当者を用意するアニメも増えてきています。
アニメ演出家の仕事内容2. 作画の打ち合わせやチェックを重ねる
演出家は、出来上がった絵コンテをもとに、原画マンと作画の打ち合わせ(作打ち)をしていきます。
このときに演出家は原画マンに対して、キャラクターの行動理由や心情を解説し、よりよい原画を描けるようアシストしていきます。
演出家の指示ひとつで原画のクオリティも大きく変化するため、作打ちは演出の力量が問われるシーンです。
原画マンの原画が上がったらレイアウトをチェックし、修正点を作画監督に伝えます。
演出家が原画を直接手直しするケースもあり、レイアウトが揃ったら美術監督と美術打ち合わせ(美術打ち)や色打ち合わせ(色打ち)をしていきます。
アニメ演出家の仕事内容3. アニメに演出を入れて仕上げていく
これまでで出来上がった原画は、動画マンの手に渡って動画に落とし込まれます。
アニメの映像がスムーズに動くよう数千枚の動画が作成され、キャラクターの動きや背景の準備が整ったら、いよいよ編集作業に入っていきます。
シーンが長すぎる場合には短く、短すぎる場合には引き伸ばすなど、絵コンテに合わせてバランスを調整するのが編集の醍醐味といえます。
また、映像の間違いを見つけてリテークを出すのも大切な作業のひとつです。
出来上がった映像に声優が声を入れる収録時にも演出家が関わり、演技指導やチェックを行っていきます。
さらに、声が入った映像に音響監督とともにBGMや効果音を入れ、映像を仕上げていきます。
アニメの演出家は、アニメ制作のほぼ全ての過程に関わっていく重要なポジションです。
演出家の力量によってアニメの出来映えが左右されるといっても過言ではありません。
アニメ業界で経験を積み、脚本の良さを最大限に活かせるような演出家を目指してみてはいかがでしょうか。
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