Interview
俳優として活躍する山植さんに、学生時代の思い出、役者としての仕事への取り組み方について語っていただきました。
俳優
山植 久美加 さん
Yamaue Kumika
2017年卒業
1996年、和歌山県出身。
俳優科11期生卒業公演の「クレイジーフォーユー」では主演を演じた。
2017年デビュー後、「真夏の夜の異界への旅」「僕の初恋をキミに捧ぐ」などのドラマや舞台に出演し、現在はフリーランスで活動の幅を広げる。
中学3年生の時、先生主体の有志で集まった同級生たちと映画をつくったのがきっかけです。もっとお芝居を知りたい!もっといろんな役を演じてみたい!と思って高校も演劇部のある学校を選んで入学しました。
『女優 専門学校』で検索して出てきた学校でした。その後、オープンキャンパスに参加した時に学校の設備や講師の先生方の雰囲気などから絶対ここがいい!とピンときたからです。
一年生の進級公演でチアの作品をさせてもらった事です。カーテンコールでキラキラした舞台上にいる私達に、先輩や両親が笑顔で拍手してくださる姿を見た時は本当に感動しました。
また、3年生の時SP公演に出演させてもらえた事も良い思い出です。校内オーディションで選ばれた歴代の先輩方を見てきた憧れもあって、選ばれた時は本当に自信になりました。
成井さん演出の舞台を学生のうちに受けられる事ができるのは、この学校ならではの魅力だと思います。セリフの向き合い方など、本当に色んな面で鍛えられるのですごく貴重な経験だったと思います。
舞台制作の授業は実践的で、振り返って一人ひとり細かく見てもらえるので、貴重な時間でした。海外実習ではステラ・アドラーの教育メソッドを受けたのですが、英語を話せなくても丁寧かつ思い切り表現することができ、「これがハリウッドの空気感なのか!」と思い知らされましたね。
舞台制作でお世話になった横山先生です。目がいくつあるのか分からないぐらい視野の広い演出をしている姿は憧れです。
人としてもキャラクターとしてもしっかり向き合ってくださって、こんな視野の広くて思いやりをもって行動できる人になりたいと思ってました。
23歳になった頃オーディションに受からない、キャラクターがない、特技もない、さぁどうするってなった時に所属していた事務所のマネージャーさんとよく話し合いをする事がありました。
「芝居ができればなんでもいい!」と高を括っていましたが、実際選ばれないと土俵にも立てません。
そんな中キャラクターづくりの一貫として見た目の印象を変えたのですが、その半年後に地上波テレビ放送『僕の初恋をキミに捧ぐ』でレギュラー出演する生徒役として選ばれました。
友人や両親から放送されるたびに連絡をもらえたのは本当に嬉しかったです。どんどん落ちていく気がしていた中「もっと踏ん張ろう」と思う転機になりました。
2020年に上演されたラサール石井さん演出『ナイロンのライオン』です。
昭和20年代から、30年代の高度経済成長時代を舞台にした内容でした。日本では、やっと和装姿から洋装が一般的になったばかりで誰もがまだ下着などに関心も価値も見出していない時代に鴨居羊子という人は新聞記者を退職し、独学で可愛らしい下着を考案し、その販売を始めました。
彼女は、下着のアウター化や男女共用の下着をそれが実現化する40年も前に、すでに提唱していたのです。
このお芝居はそんな早すぎた天才が、まだまだ男性上位の社会の中で、どう時代と折り合って行ったかを、鴨居羊子らしき人を主人公に、当時小さな会社であった和光商事を現在のワコールにまで成長させた社長の塚本幸一らしき人を絡めながらお送りする舞台になります。
その中で私は高畑こと美さん演じる鴨居洋子(女1)の友人であり会社の立ち上げメンバーである女2を演じました。
コロナがギリギリ大流行する前のタイミングで、倍率58倍のオーディションから選ばれた先輩方5人(高畑こと美さん、山口ルツコさん、谷沢龍馬さん、寺内淳志さん、阿岐之将一さん)と出演した作品だったので間近でレベルの高いお芝居とコメディならではの難しさを体感しました。
知り合いの監督の方を中心にYouTubeチャンネルを立ち上げてほぼ毎日ショートドラマを投稿をしたり、インスタの更新強化などSNSを使って発信し続けることで自分のモチベーションの維持とファンを増やすことに努めました。
お芝居を続ける方法は沢山あるとは思いますが、目標を見失うと助けてくれる人も減ってしまうので続ける事が1番大切だと感じています。
いい意味で変わらない自分でいる事です。
思いやりと感謝することを忘れないように心に余裕をもった人間でありたいと思っています。
それから自分に無理させないことも大切にしています。
また、笑顔でいると笑顔が返ってきて幸せな気持ちになるのでうまく自分でコントロールできるように心掛けています。
役者として賞を取ることです。 長くお芝居を続けていきたいので、ドラマ、映画、舞台、ラジオなどジャンルを問わず挑戦し続けて、より多くの方に見てもらえる機会をつくっていきたいです。
やった事ないことほど積極的に取り組んで欲しいです!やってみないと分からない事が本当に沢山あって、続ける事で嫌になったり、周りと比べて落ち込んだりする時もあると思いますが、それは向き合って頑張れてる証拠だと私は思います。
なんでも「経験はあった方がいい!」ぐらいの気持ちで是非沢山挑戦してみてください。そして続けてみてください。
学校の先生も講師の方々も必ず応援してくれるので今の環境で存分に吸収して、素敵な俳優になれるように頑張ってください。