演劇やミュージカル、バレエやコンサートなど、舞台で上演されるパフォーマンスにはさまざまなものがありますよね。 それぞれの舞台が目指す世界観を作り上げ、舞台に立つ役者やシンガー、アーティストやダンサーをより輝かせるのが、舞台美術家の腕の見せ所といえます。 この記事では、舞台美術の具体的な仕事内容や、舞台の世界で働くための方法について紹介します。
舞台美術ってどんな仕事のこと?
舞台美術は、舞台やショーの美術部門全体を担当する仕事をいいます。 舞台上の装飾や大道具小道具の制作のほか、音響照明や装置の準備、衣装のデザインや制作なども舞台美術家が担当することがあります。 舞台美術の仕事には、特別な資格は必要ありません。 しかし、着実にステップアップしていくためには、美術や音響照明、衣装など舞台美術全般に関わる高い知識が求められます。 美術の仕事にはTV番組のセットや映画のセットを担当する部門と、舞台を専門とする舞台美術の仕事があります。 生の舞台公演を1から作り上げる仕事をしたいという人は、舞台美術の道を選ぶのがおすすめですよ。
舞台美術の仕事の大まかな流れをチェック!
舞台美術の仕事はまず舞台の分解設計図や客席から舞台を見たときの想定図を作ることから始まります。 図面は手書きではなくIllustratorなどのデジタルデータで制作し、スタッフ間で共有することがほとんどです。 図面制作と並行して、音響照明や装置など、さまざまなセクションの担当者と打ち合わせを重ねます。 舞台装置の模型を作り、照明を当ててどのように見えるのかをチェックするなど、さまざまな方法で舞台のシミュレーションをし、イメージを形にしていきます。 大きな舞台装置は劇場外で制作し、公演が近づいてから搬入して一気に組み立てます。 公演後にバラシと呼ばれる撤収作業をするのも舞台美術の大切な仕事の1つです。
舞台美術家になるための方法とは?
舞台美術の仕事をしている人の多くは、舞台美術を専門的に手がける制作会社に所属しています。 制作会社ではまず美術助手や装飾助手という仕事をして腕を磨き、ステップアップを目指すのです。 中にはフリーランスで舞台美術の仕事をしている人もいます。 フリーランスの舞台美術家は劇団や演出家から直接依頼を受けて舞台美術の仕事をします。 こういった舞台美術家が仕事を得るためには、さまざまな人との関わりが必要不可欠です。 舞台美術について学べる専門学校で構築した同級生や講師とのつながりは、将来舞台美術家として仕事を得るときにきっと役に立つはずです。
舞台美術は、舞台を観賞する人を舞台の世界観に引き込むやりがいのある仕事といえます。 多くのセクションと密にコミュニケーションを取り、大きな舞台を作り上げたときの達成感は、なにものにも代えがたい最高のひとときとなるはずです。 将来舞台美術家として活躍したいという方は、美術を専門的に学べる学校で幅広い知識や技能を養うのがおすすめです。