お笑い芸人にとって、漫才やコントなどのおもしろいネタを考える作業は大切な仕事のひとつです。
世の中にはたくさんの芸人たちがいますが、どのようなところからヒントを得てネタを作っているのでしょうか?
もちろん人それぞれネタ作りのポイントは異なりますが、芸人のネタの探し方や作り方の一般的な工程をご紹介いたします。
まずはネタの基本的な設定を考える
芸人がネタを考えるときには、まず基本的な設定をざっくりと作っていくのが一般的です。
内容はどんなことでもいいのですが、お客さんにもさまざまなタイプの人がいるので、どんな人にでも伝わりやすいネタを考える必要があります。
「おもしろいネタを作りたい」と思ったときに何を参考にするかというのが、芸人のセンスの見せ所。
友人や仕事仲間との何気ない会話からひらめきを得るという人もいれば、街なかを散歩したりカフェで人間観察をしたりしてネタを拾っていくという人もいます。
おもしろいネタを作るためには、ネタの元となるキッカケに気づく能力が必要になるといえます。
ボケを何パターンも考えるネタ出し作業が有効
芸人のネタの舞台は、学校やお店、会社や道端といった場所にするのが一般的です。
一般の人々が行ったことのある場所や経験してきた場所を舞台にすることで、見ている人の想像がリアルになり、「あるある」といった共感を得ることができ、それが笑いにつながるのです。
一方、空想上の場所など、独特な舞台を設定する場合には、笑いを交えた端的な説明で観客に内容を理解させる工夫が必要です。
漫才ではネタの一環として説明することができますが、コントの場合、劇を始める前にナレーションを入れるなどで対応するのが一般的といえます。
次に、行動やテーマを作っていきます。設定した舞台でどんなことをするか、どんな会話をするかというざっくりとした流れを決めておきましょう。
基本設定が決まったら、思いつくボケをどんどん書き出していきます。
大喜利感覚で言葉遊びを考えたり、おもしろい動きを考えたり、あるあるネタを展開したりと、この段階でとにかくたくさんネタを挙げていくのがポイントです。
ネタを何パターンも挙げつつ、パズルのようにストーリーを作っていくという芸人はかなり多いものです。
ネタのストーリーを整えて形にしていく
ネタができ上がったら、細かいセリフ回しなどを決めながらネタを形にしていきます。
とくに大切なのは、導入部分でお客さんの興味をグッと掴むこと。
コンビやトリオ芸人の場合、ネタの冒頭で相方に話題を振ったり主張をしたりという方法でネタを膨らませていきます。
疑問を投げかけたり、悩みを相談したりするのも上手な導入の手法です。「○○をやってみたいんだけど」と相方をコントに誘う手法もよく使われます。
コントや漫才にはある程度決まった「お約束」のようなものがあります。
1人がボケて1人が突っ込むというのがネタの定番ですが、お互いにボケ続けるというネタ作りの手法もあります。
また、話の噛み合わなさをネタにしたり、観客を巻き込んだ「いじり」のネタを披露したりする芸人もいます。
お笑いのネタを作る時には、先輩芸人が作り上げてきた「お約束」をベースにすれば流れが整いやすくなります。
お笑いの実力がある先輩芸人を参考にすることは、当然のことです。基本やお約束を学び、自分の中に定着させた上で個性的なボケを考えれば、ネタのレベルもグッとアップしていきます。
まずはネタ作りの基本をおさえて、ネタのストックを増やしていくことが大切です。
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